満月と秋風と「万葉恋歌」

十五夜の月を見ながら

十五夜の月を、ひとりベランダにすわり、タバコを吸いながら眺めています。月と秋の風に万葉集の恋歌を思い出しました。

大切にしている本「万葉恋歌」

綺麗な本です。英文対訳書で、エッセイはドナルド・キーン、短歌の英訳はリービ英夫、解説は大岡信、切り絵は宮田雅之と、そうそうたる著者です。

古代人のロマンティシズム

秋風に今か今かと紐解きてうら待ち居るに月傾きぬ  大伴家持

I stay here waiting for him
in the autumn wind, my sash untied,
wondering, is he coming now,
is he coming now,
And the moon is low in the sky.

….古代の愛人同士は、逢って別れる時互いに下着の紐を結び合い、次の逢瀬までそれを解かないという誓いの印をしていた。その紐を、待ちきれずに自分からほどいて、こんなに待ちこがれているのに…
「万葉恋歌」から引用

日本語と英語の対訳, エロチズムな宮田雅之の切り絵

遠い昔、子供だった頃の十五夜の夜に、祖母が飯台を月の見える窓に置いて、すすきを飾り、葡萄、梨、アケビ、サツマイモなどを供えていた。私は、自然の恵みと、自然の脅威に対する自然信仰を忘れてしまったようです。それに紐を解いて待っている人もいません。

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