Juddy Duttonの『理系の子』

『理系の子』:ジュディ・ダットン、横山啓明訳

高校生科学オリンピックの青春

2011年、『Science Fair Season』が話題になったとき、Kindle Versionで読みましたが、英文で読みきれてなかったようです。改めて翻訳文庫版で読み直しました。高校生から大人までおすすめの一冊です。

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2009年、予選を勝ち抜いて「インテル国際科学フェア」に参加した高校生のブースを取材して、そのなかから11人の高校生の生い立ち、家庭環境、研究のテーマ、サポートしてくれた人々などを取材した感動のドキュメンタリーです。
子どもの頃から科学に取り憑かれた子、家庭、社会の役立つことが自然にテーマになった子、良い指導者に恵まれた子、貧しくてサイエンスフェアの賞金、奨学金で大学進学を夢見た子と、必ずしも理系おたくだけではありません。
少年少女の発想と努力には驚きます。現に、多くの研究結果が特許出願され、すでに社会に取り入れられているものもあります。
また、アメリカ社会は科学を目指す子どもたちに対して寛容です。それに賞金の数千ドルから数十万ドル、奨学金などの対価は、大人扱いに付与されることです。たぶん日本では、高校生にそんな多額な賞金はおかしいなどと、薄っぺらい道徳論をかざす人が多いでしょうね。

本書で取り上げた高校生のテーマのいくつかを要約しました。

1. 核にとり憑かれた少年

ティーラー・ウィルス、14歳で小さい、 でも男らしい職業に憧れていて、情熱は並外れたものだった。彼の研究の内容は穏やかでない。核融合炉である。祖母からもらった『放射線ボーイスカウト』を読み、核の虜になる。父にガイガーカウンターを買ってもらい、身の回りの放射線物質を集め、中性子クラブの仲間、そしてビルと言う高価な不用品を回収する達人の協力で、核融合機器を完成させ、ついに核融合の副産物である中性子の存在をバブル線量計で確認する。

2. ゴミ捨て場の天才

ギャレッ・ヤジー、13歳は、ナヴァホ族保護特別保留地のトレーラーハウスで暮らしていた。母子家庭で貧しい。冬、喘息で苦しむ妹のために、自動車の廃車置き場から拾ったラジエーターを利用して太陽光で温水を作り暖房する装置を作った。サイエンスフェアへの出展をすすめられ、ラジエーターの周りに炭酸飲料の空き缶を並べて空気も暖めらられる装置に改良した。そのフェアで出会った夫妻の協力と援助で保護区を出て、私立高校に通学できるようになる。

3. わたしがハンセン病?

ギャレッ・ヤジー、13歳は、ナヴァホ族保護特別保留地のトレーラーハウスで暮らしていた。母子家庭で貧しい。冬、喘息で苦しむ妹のために、自動車の廃車置き場から拾ったラジエーターを利用して太陽光で温水を作り暖房する装置を作った。サイエンスフェアへの出展をすすめられ、ラジエーターの周りに炭酸飲料の空き缶を並べて空気も暖めらられる装置に改良した。そのフェアで出会った夫妻の協力と援助で保護区を出て、私立高校に通学できるようになる。

4.ホース・セラピー

キャトリーン・ホーニングは父から馬の調教を習った。馬から学ぶことで馬を知った。無理だろうと思う馬でも調教して驚かした。日常をじっくり見ることでトップレベルの研究テーマを見つける才能があった。警察官の多くがストレス障害で苦しんでいると知り、彼女は警察署にホース・セラピーの被験者ボランティアをお願いする。セラピーで血圧は下り、皆驚くほど穏やかになった。刑務所、老人養護施設、障害を持つ子供たちの施設も回り、膨大なデータを持ってサイエンスフェアに望んだ。一位になった。父はヤッターと喜んだ、自分病気の癌の治療費が膨らみ、健康も悪化している。大学で4年間十分勉強できる奨学金十六万ドル付与は娘の未来を保証してくれる。

5. 鉄格子の向こうの星

6. デュポン社に挑戦した少女

7. 手袋ボーイ

8. イライザと蜂

9. ロリーナの声に耳を傾けて

10. 第二のビル・ゲイツ

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