英語学習法に迷っていたら鳥飼玖美子の『本物の英語力』

『本物の英語力』:鳥飼玖美子

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私が学生だった1970年頃、若い女性の同時通訳者が活躍していた。すごいなーと感心していた。鳥飼玖美子です。本屋で目次と最初の数頁「はじめに」を読んで、これが日本人が第二外国語として英語を学習する総合的な指南書だと直感した。

本書の基本原則

この本は次の2つの基本原則に基づき、具体的な学習法を述べている。

(1) ネーティブ・スピーカーを目指すのではなく、自分が主体的に使える英語,「私の英語を目指す」

私は外資に25年間勤めた。他の人よりは英語が必要な職業でしょう。しかし外資で働く人は誰も英語で飯が食えるなどと思っていない。あくまで評価は仕事の総合力である。だからそれぞれが自分が使える英語を目指していた。

(2) 英語を覚えようとするのではなく、知りたい内容、興味のある内容を英語で学ぶ。

「挨拶」、「レストランで料理の注文方法」などの会話勉強しても、すぐ飽きて続きません。英語で内容を知って賢くなる。これが語学勉強を長く続けらる方法です。私がエンジニアとして就職した頃は、まだ外国の文献を頼りにしなけらばならない時代で、英語を読む力が必要でした。それに動機は不純ですが、英語のポルノ小説を読んでいました。

目次

はじめに

第一部 英語は基礎力

  • 第一講 「なんで英語をやるの?」
  • 第二講 「発音」は基本をおさえる
  • 第三講 先立つものは「語彙」
  • 第四講 「コンテクスト」がすべてを決める
  • 第五講 話すためこそ文法

第二部 英語の学習法

  • 第六講 訳すことの効用
  • 第七講 英語はスキルか内容か
  • 第八講 英語力試験にめげない、振り回されない
  • 第九講 デジタルと英語教育
  • 第十講 映画で英語
  • 第十一講 長崎通詞の英会話習得法

第三部 英語の実践

  • 第十二講 英語を書く
  • 第十三講 語学研修と留学
  • 第十四講 仕事に使える英語
  • 第十五講 英語学習は未知との格闘

あとがき

第一部の「英語は基礎力」で、私がマーキングした箇所をつなぎ合わせてみました。概要です。

発音がハチャメチャでは通じません。ハチャメチャと完璧の間を狙いましょう。自分が誰であるかのアイデンティティを大切にしつつ、世界の人びととコミュニケーションをとるために、英語の音とリズムの特徴を把握して、ゆっくり、はっきり、分かりやすい英語を話せば良いのです。

英語には度胸も必要です。しかしもっとも必要なのは「ボキャブラリー」つまり「語彙」です。仕事で英語を使おうという場合は8000語は必要です。シャワーのように聞いても、シャワーのように流れ落ちてしまうだけで、読んでわからない単語は、聞いても分かりません。自力で頑張るしかありません。ある程度の暗記も必要でしょう。じっくり語彙を増やす方法は、たくさん読むことです。多読は内容を楽しみながらざっと読み飛ばす。知らない単語は無視します。その単語がわからないと内容が把握できないときだけ辞書を引きます。精読も大切です。この場合は辞書を引いて丹念に読みます。辞書は引くのではなく読むのです。辞書には驚くほどの情報量があります。

文法を知らないと表現できる範囲は極めて限定的です。文法が間違っていると、単純に教養がないと思われてしまいます。英文法は英語という言語文化のルールですので、その規則を知ることは、異文化理解につながります。

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