『女性の品格』:坂東眞里子
装いから生き方まで
私は、著者がいっている、女性が真似してはいけない「一時代前の間違った男らしさ」の部類に入っているでしょう。そんな自分ですから、「男性の品格」なる本もあるようですが、男性が書いた品格は信じられません。坂東眞理子の『女性の品格』は、人間の品格と置き換えても読めます。思い当たることが多くあります。そのいくつかに気をつけるだけで、品格度が上がるでしょう。
この本は女性の品格について書いたつもりですが、結果として、人間の品格とは何か、品格ある生き方とは何かについて考えざるえませんでした。具体的な日常生活で振る舞い方について書いた部分と、生き方考え方に関わる部分がありますが、その両方があいまって品格とは何かが浮かびあがるように努めました。
読みながら、私がマーキングした箇所を引用紹介します。
日常生活の振る舞い方
第一章 マナーと品格
礼状をこまめに書く
お礼のタイミングをのがさないようにしましょう。感謝の気持ちを丁寧に伝えることは、あなたの人生を豊かにする魔法の杖でもあるのです。
長い人間関係を大切にする」
「君子の交わりは淡きこと水の如し」という言葉に、なんてなまぬるい友情だろうと思ったことがありますが、そうした淡々とした友情が長く続くのも品格ある人間関係なのです。現実に、柔らかいネットワークが転職などで役に立つという研究もあります。
第二章 品格のある言葉と話し方
敬語の使い方
それほど親しくない人と会うときは、何はともあれ敬語を使いましょう。たとえ相手が年下であろうと職場の地位が低い場合であろうと….
ネガティブな言葉は使わない
相手の長所を温かく表現してあげると自分の評価にも跳ね返ります。「あら太ったわね」「疲れているの」というような気になることばを使われたら、誰でもちょっと嫌な気分になります。
魔法の言葉「ありがとう」
外国語を覚えるときに、一番重要な言葉は「ありがとう」にあたる言葉です。もちろん日本語でも、「ありがとうございます」を自然に適切な場で適切に使えれば、とてもエレガントで品格も高まります。
乱暴な言葉は使わない
一時代前の間違った男らしさの真似をしている人がいますが、本当に浅はかだと思います。
第三章 品格のある装い
流行に飛びつかない
タレントやモデルでない普通の生活している女性は、最新流行の服を着る必要はありません。品質がよくて、清潔で似合っていればどんな服でもいいのです。
インナーは上質で新しいものを
私も若い頃は人間は中身が大事、服装なんて包み紙で重要ではないと思っていました。でも現実は包み紙で中身を判断されることが多く、またどういう包み紙を選ぶかも本人のセンス、才能の一つです。
秘すれば花
「秘すれば花」というのはもっと精神的なものですが、服装の面でも適用する原則です。四十歳になり、五十歳になっても女らしく、上品で魅力的であるためには、何もかも開けっぴろにするのではなく、少し隠したほうが魅力的なのです。
贅肉はつけない
贅肉をつけない暮らしというのは、食欲という強い欲望に振り回されず、自分を甘やかさず、運動を継続できるといった強い精神をもった生活です。
第四章 品格のある暮らし
よい客になる
よい客になるとお店で歓迎されるようになります。
値段でモノを買わない
値段で買っていいのは品質の良い消耗品だけ、そうでないものは厳しくチェックして本当に好きか必要か、吟味してから買いましょう。
けちけちしないで投資マインド
一番重要な投資は自分への投資です。働いている人は収入の一割は必要経費として職業人としての自分を向上させるために投資しましょう。
花の名前を知っている
草や木は何千年もこのこの土地に生き、この国を彩ってきました。そうした花や木の名前を知っている人は、自然を丁寧に観察しているといっていいでしょう。
生き方考え方
品格のある人間関係
もてはやされている人には擦り寄らない
もてはやされている人に擦り寄るのは品格がないだけでなく、効率も悪いのです。今現在人気絶頂の人に好意をみせてもあまり報われないと考えましょう。
利害関係のない人にも丁寧に接する
女性でも一流企業に勤務していたり正社員であったりすると、中小企業や取引先のの社員より自分が上だと思ったり、派遣社員や契約社員を見下すようなことはないでしょうか。
仲間だけで群れない
友達がいることはとても重要ですが、群れるのは品格がないというのが私の意見です。なぜか?群れているうちに自分自身で判断しなくなり、正しいことは何か、自分は本当は何をしようとしているのかに向き合わなくなるからです。
後輩や若い人を育てる
若い人たちに自信をもたせ、励まし、そして少し指導する。自信をもって生き生き働く部下は、あなたにとってかけがえのない財産になります。
聞き上手になる
コミュニケーションの一番の基礎は聞くことです。ひたすら相手の話を肯定的な態度で聞くのです。
友人知人の悪口を言わない
品格のある友人関係を作ろうと思ったら、友人知人の悪口や批判を第三者にはけっして口外しないことです。
第三者に言った話は、必ず相手に伝わると覚悟しておきましょう。第六章 品格のある行動
よいことは隠れてする
湖に浮かぶ白鳥はすいすいと自然に浮かんでいるように見えますが、水面下では必至で水かきをしています。努力を見せびらかさないから美しいのです。
独りのときを美しく過ごす
第七章 品格のある生き方
恋はすぐに打ち明けない
現代においても、忍ぶ恋、片思いの恋、思うに任せなかった恋が、女性を磨き、こころのひだを深めるのではないでしょうか。
うわべに惑わされない
うわべに惑わされず、うわべを見抜く人間になりましょう。
品格ある男性を育てる
男性を見極め選択するうえで「品格」を重視しましょう。それは結果として、それは結果として、一番将来性のあるパートナーを選ぶことになると思いますし、自分の品格を高めます。
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