孫の「読書感想文」
夏休み、小学3年生の孫(男の子)も二週間あずかりました。連日の猛暑のなか、退屈させないようにあちこちと喜びそうなところに連れて行くだけでへとへとです。そんなとき、娘が電話で「お父さん、ほかの宿題はいいから、読書感想文だけ必ず終わらせて」…、勉強嫌いの小学3年生に、本を読ませて、原稿用紙3枚(1200字)の感想文を書かせることは、私には雲をつかむような話です。
選んだ課題図書は『おはなし聞かせてクリストフ』
とにかく読ませないと。孫を連れて近くのショッピングモールの本屋へ行きました。孫はゲームセンターで、ゲームをしたいらしく、「じいちゃん、これでいいよ」と簡単に選んだ本が『おはなし聞かせてクリストフ』でした。孫がゲームをしているあいだ、さっと読んでみました。良い物語です。
三日間の悪戦苦闘
一日目:まずは読ませないと
「あとで、あとで」と言って、なかなか読み始めてくれません。それで、読むことに興味を持ってくれるようにと、
ストップウォッチで早読みゲーム
一行一行を読まずに、ただ速く見るだけの方法を教えました。
ゲーム感覚でできるように、ストップウォッチで時間を測ります。気にいったようで、がむしゃらに頁をめくっています。時間をおいて二回やらせて、一日目は終わりです。たぶん、内容は理解してないでしょう。でも、最後の頁まで見たという実感はあるでしょう。
二日目:内容の質問,要約
次の日、すんなり精読してくれました。前の日の、行を見るだけの効果があったようです。それに、物語が面白くなったようです。読み終えて、どんなことが書いていたか、私の質問に答えさせて、二人で内容を確かめ合いました。
- 「クリストフはどこの国からイギリスに来たのかな?」
- 「なぜ、アフリカのルワンダからイギリスに来たのかな?」
- 「転校してきて、すぐ友達ができたのかな?」
- 「いじめられて、クリストフはどうした?」
- 「そう、殴ってしまったね。それについてお父さんは何て言ったかな?」
- 「担任のフィンチ先生は良い先生だね、どんなところが良い先生?」
- 「どうしてクリストフは、物語を読むのが嫌いなのかな?」
- 「アフリカのおじいちゃんのバビは、どんなおじいちゃん?」
- 「どうしてクリストフはお話しが上手なのかな?」
- 「ルワンダでどんなことがあったのかな?」
- 「友達も、先生もクリストフの話を真剣に聴いてくれたね」
- 「お話しを上手に話すことは、なぜ大事なのかな?」
- 「でも、フィンチ先生は、何をクリストフに教えようとしたのかな?」
- 「読むこと、書くことは、何故大事なんだろう?」
- 「この物語に、いくつ大事なことを書いているだろう?」
3日目:ごほうび作戦
本に線を引いたり、付せんしたりしています。それでも、なかなか書き始めることができません。
それで、奥の手のごほうび作戦です。「書き終えたら、ポケモンの映画を観に行こう、そして帰りゲームセンターにも寄ろうか?」と約束しました。何やら考えています。そして突然作家にでもなったように、書き始めました。書き終えた感想文を読んで、文章になっていないところ、意味がとれないところだけにチェックマークして、内容の添削はしませんでした。家に帰ったら、提出できるように清書するように言いました。清書しながら何か気がつくことがあるでしょう。