夏休みの2週間、小学4年生の孫をあずかっている。私に課せられた義務は「自由研究」と「読書感想文」を終わらせることです。孫はゲームをしているときは100%の集中力です。それが勉強になると、10分に一回はハーッとため息をついている。
「自由研究は何かしたいことがある?」
「とくべつないね、じいちゃん決めていいよ」
「昆虫だけはダメだよ、きらいだから」
こんな調子である。
それでも話し合って「紫外線の研究」をすることにした。紫外線は目に見えない。それで紫外線の強弱で色が変化する紫外線チェッカーを準備した。
まず二人で紫外線のことを少し勉強しよう。
「太陽から地球に到達する光の中で、目で見える光を可視光線というんだ。その可視光線で一番波長が短いのが紫で、その紫より波長が短い光を紫外線というんだ。逆に可視光線で一番波長が長いのが赤で、赤より波長が長いから赤外線と言うんだ」
「波長って?」
「光は波のような性質を持っているんだ、書いてみるよ、この波の一番高いところから次の山までの距離を波長というんだ」
「それはわかったけど、波長が短いとどうなるの?」
「波長が短いとエネルギーが大きいんだよ」
「波長が短いとエネルギーが大きい? わけわからないよ」
「光の速さを波長で割ると振動数になるんだ、光の速さは一定だから波長が短い方が?」
「えーっと振動数が大きくなるね」
「そう、びゅーんと振動数が大きいほどエネルギーが大いきでしょう」
「そんな感じもするね」
「赤外線ストーブにあたっても日焼けしないよ、紫外線にあたる日焼けするのは何故?」
「それは赤外線のエネルギーがピンポン玉とすると、紫外線はゴルフボールのように強いからだよ」
「赤外線は分子を揺らすだけだけど、紫外線は分子の結合を破壊したり、切断したりするエネルギーがあるから皮膚に害を与えるんだよ。日焼けは紫外線から皮膚を守ろうとする働きなんだけど、あびすぎるとシミになってしまう」
「木や花はガンガン紫外線にあたっても平気だね」
「そんなことはないよ、紫外線は植物にも優しくないんだよ。だから植物は紫外線に負けないようにビタミンC、ビタミンE,ポリフェノール、カロテンなどを自分で作っているんだ、抗酸化物質というんだ」
さて、紫外線チェカーで紫外線の強度を測ろう。家の中、日が差す窓際、そして熱中症にならないように水を持って二人で外に出た。日差しが強いところ、木陰、水の中、サングラス、曇りの日、夕方といろいろな条件で測った。
三日がかりで、なんとかまとめることができた。大変だったけど、楽しい自由研究でした。
使用した紫外線チェッカーは