中国映画『初恋のきた道』心洗われる恋愛物語

チャン・ツィイーの『初恋のきた道』

私の好きな中国映画です。古き時代の心洗われる青春恋愛物語です。

『初恋のきた道』は1999年公開の中国映画で、主演は、この作品が映画デビューとなったチャン・ツィイー(章子怡)です。今は大女優で、2005年のハリウッド映画『Sayuri(Memories of Geisha』では主演の芸者Sayuriを演じ渡辺謙と共演しています。

映画の原題は『我的父亲母亲』ですが、日本語訳のタイトル『初恋のきた道』がぴったりです。

あらすじ

映画はモノクロで始まる。 父親の急死の連絡で一人息子のルオ・ユーシェンは故郷華北の村に帰る。父はこの村で40年の間教師をしていた。厳寒のなか、新校舎の建設の陳情で町の役所を訪ね回っているときに心臓麻痺で亡くなった。母は父を初めて見た時から変わることなく父を愛し続けた。亡くなった人が村へ帰る道を忘れることがないようにと、棺は人が担いで山を越えて村まで連れて帰るのが村の慣習だった。しかし、時代が変わり村には担ぎ手となる若者が少なくなり、まして厳寒の雪道である。息子は母に車で運ぶことを説得するが、母は担いで連れ帰ることを曲げようとせず、徹夜で黙々と夫の棺に覆う布を織り続けている。息子のルオ・ユーシェンは壁に掛かっていた若き日の二人の写真を見て、父と母の青春を回想、ナレーションする。

父と母の恋愛は村で物語のように語られている。

金色に輝く木々の葉、草原が丘を渡る風に揺れている。映画はここでカラーに変わる。美しい景色です。丘と丘との間には村と遠い町を結ぶ一本の道がある。 

村には学校がなかった。そんな村に始めての教師が赴任して来る。馬車でやって来る先生を一目見ようと村人たちが集まっている。18歳だった母のディも混じっていた。馬車から降りたのは真面目そうな若い青年教師(20歳)で、母ディは一目で好きになった。(紅い綿入れの服を着て、三つ編みをしたチャン・ツィイーのキラキラした眼がなんとも可愛い)。

モニター画面を撮影

村人たちと先生が校舎を建て始める。女たちの役割は昼食を準備することで、ディーにできることと言えば、自分の作った食事を先生に食べてもらうことだけだった。毎日、真心を持って作った食事を、特別な青い花柄の陶器に入れて持って行く。しかし広い台の上に持ち寄った食事を置くので、誰が食べるかはわからない、ディーはヤキモキしながら遠くから見ている。

校舎の一番太い梁に村一番の娘が織った赤い布を巻きつけることが村の慣習で、ディーがその赤い布を織った。校舎が完成して先生の授業が始まった。村人たちは校舎の周りに集まり教室から漏れる先生の朗読する声を聞いている。母ディーは父の朗読の声に感激した。村人たちの関心が薄れてからもディーは聴き続け、40年間聴きに行った。

先生を見るために学校の近くにある井戸まで水を汲みに行き。遠い子供たちを送って行く先生を丘の白樺の木の影で待ち伏せするように見ていた。そんな母ディーの姿を先生も気づいていてディーを好きになっていく。

校舎が完成してからは村の家が順番に先生を食事に招待する。母ディーの家の順番になった。ディーは朝早く起きて先生の食事の支度をする。

父を迎える母の姿は一幅の絵のようだった

息子がナレーションする映画の日本語字幕は、

“父は行言った。 初めて母の家に行ったとき 母が入り口にて父を迎える姿は 一幅の絵のようだった。 一生忘れないと”

音声から読み取った中国語です。

父亲对我说过,他第一次到母亲家吃饭的时候,母亲站在门口迎他。他记得母亲扶着门框站在门口的样子,就像一幅画,他说很多年他都忘不了这幅画。

モニターを撮影

母ディーは盲目の祖母と二人暮らしだった。祖母はディーの気持ちに感づいていて、身分違いで悲しい思いをするので「あきらめるように」とたしなめるが、母の気持ちは変わらなかった。

夕食も食べに来ることになっていた。しかし先生は町に連れ戻されると伝えに来た。何故連れ戻されたかは述べられていないが、時代背景は文化大革命の頃です。旧暦の12月8日には必ず帰ると言い、母ディーに「君の紅い服に似合う」と言い”髪留め”を贈る。夕食に支度していた餃子は食べに来ると約束した。母は紅い服と髪留めをつけて待っていたが、先生は馬車で連れ去られた。

帰って来ると約束した12月8日は吹雪だった。道が見える丘の上に立って先生が乗って来る馬車を 待っている。地を這うような猛吹雪のなか母ディーは一日待ち続けた。睫毛の先が白くなっている。先生は帰った来なかった。家に戻ったディーは倒れるように横になった。祖母が額に手を当てるとすごい熱だった。それでも次の日、町まで歩いて先生を探すと、止める祖母を振り切って家を出た。

母ディーは吹雪の中で倒れていたところを村人に発見された。母の体は冷え切っていた。祖母は村の人たちを呼び、「このままではこの娘はいつか死んでしまう。町に行って先生探して1日でいいから会いに来るようにして欲しい」と頼んだ。

何日寝ていたかわからない。意識が戻り目を覚ますと、学校の方から先生が朗読する声が聞こえたような気がした。祖母が先生が徹夜でディーを看病していたことを伝える。母ディーが学校に行くと、村人たちが「ディーが来たよ」と先生を呼ぶ。

拘束されていたところを抜け出し来た罪で、その後二年間父は村に戻ることができなかったが、二年後に村に帰り母と結婚することができた。

亡くなった父の棺を町から担いで運ぶために、他の村の人たちに賃金を払って集めることにしていた。しかし、その日、棺は中国全土から集まった数百人の父の教え子たちに担がれ、その後ろには車が連なる長い葬列になった。

父の願いが叶い新しい校舎が建設されることになった。

中国映画:初恋のきた道

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