有村架純の『中学聖日記』
AmazonのPrime Videoを検索していて、年甲斐もなく女性教師と中学生の禁断の恋のドラマにはまってしまいました。禁断の愛というよりは純愛ドラマでしょうか。
2018年TBS系で放送されたドラマだったようですね。『高校生教師』の男性教師と女性徒の、女性教師と男子生徒の中学生版でしょうか。
なんといっても清純な有村架純の教師に惹かれてしまいます。
大学を卒業して子供の頃からの夢がかなって教師になった末永聖(有村架純)は小さな町の中学校に国語教師として赴任し、三年生の担任になった。新米教師として戸惑いながらも、生徒を思い、先輩先生の意見を素直に聞いて一人前の先生になろうと努力していた。そんななか、ひとりの男子生徒、成績は優秀だが感情の起伏が激しい黒岩晶(岡田健史)が聖を好きになり、告白される。気持ちをストレートにぶつけてくる彼に対して、聖は戸惑い、諌め、避けようとするが、いつしか心が揺れ始める。
二つの象徴的なシーン
このドラマには、二人を近づけるきっかけとなった、二つの象徴的なシーンがあります。その一つは、お互いのスマホのシャッター音がかろうじて聞こえる距離に立って夕日を撮っているシーンです。もう一つは、国語教師の聖が黒板に杜甫の漢詩『春夜喜雨』を書いて、”好雨時節を知り…”と読み上げているシーンです。中学生で漢詩を習うのか分かりませんが、先生の聖は情景が浮かぶ詩だと、生徒に紹介しています。後に黒岩晶は聖の前で、暗唱したこの漢詩を朗読して聖に驚きと感動を与えることになります。
『春夜喜雨』春夜 雨を喜ぶ
この漢詩は私も好きです。10数年前、湯島聖堂内で初めて買った一冊の漢詩の本で読んだ杜甫の『春夜喜雨』を思い出しました。中国語の勉強を始めるきっかけになった漢詩です。当時の漢詩の本を開いたらピンインを付したメモが貼り付けていました。
律詩ーー八句の漢詩で、私は特にこの対句の部分が好きです。情景が浮かびます。
随风潜入夜
润物细无声
風に随って潜かに夜に入り
物を潤して細やかにして声無し
春夜喜雨 好雨知时节 当春乃发生 随风潜入夜 润物细无声 野径云俱黑 江船火独明 晓看红湿处 花重锦官城
春 雨を喜ぶ 好雨 時節を知り 春に当たって乃ち発生す 風に随って潜かに夜に入り 物を潤して細やかにして声無し 夜径 雲は倶に黒く 江船 火は一人明らかなり 暁に紅の湿える処を看れば 花は錦官城に重からん
よい雨は降るべき時節を知っており/春になると降り出して、万物が萌えはじめる/雨は風につれてひそかに夜まで降り続き/こまやかに音もたてずに万物潤している/野の小道も雲と同じように真っ暗であり/川に浮かぶ船のいさり火だけが明るく見える/夜明けに、赤くしめりをおびたところを見るならば/それは錦官城に花がしっとりぬれて咲いている姿だった。 引用:【NHK 漢詩紀行(一)】
中国語の解説
多好的春雨呵好像知道时节变化,到了泰天,它就自然地应时而生。
伴随着和风在夜里悄悄飘酒,滋润着万物轻柔而寂然无声。
野外的小路上空乌云一片漆黑,只有江面小船还亮着一益孤灯。
清晨观赏细雨湿润的处处春花,朵朵沉甸向地开遍美丽的锦官城。
引用:【小学生必背古诗词80首】
引き裂かれる愛、訣別、初めて会った日から8年の歳月が過ぎた
さて、二人の関係は男子生徒の母親にも知られることになり、どう弁解しても、愛し合っていると言っても相手は15才の少年です。聖は退職願いを提出して彼の元から去ることになります。
物語のクライマックスはこれからです。三年後高校三年生になった彼と再会、非日常的な事が起こり再び愛を確かめるが、引き裂かれる愛、お互いの未来を思って二人は決別する。職場を失い、居場所がなくなった聖は日本語教師となってタイに渡り、好きな教師としての道を歩き始める。
日本を去ってから5年、彼と初めて会ってから8年の歳月が過ぎた。聖はタイの夕日の海岸に立ちスマホのシャッターを押した。そのとき近くで誰かのシャッター音が聞こえた。。。
正確なあらすじにはなっていません。10数回の長いテレビドラマです。物語には彼女、彼をとりまく人たちの複雑な感情が絡み合っています。Amazon Prime Videoでご覧ください。