『文は1行目から書かなくていい』:藤原智美
文書がうまくなりたい。それで文章術の本をあれこれと読んでいる。読んでいるときはいつも、なるほどと納得して手本にしようと思うのだが、すぐ忘れてしまう。私の場合は要点を書き写していつも見るようにしなければ身につかないようです。
芥川賞作家の藤原智美は、「どうしたら文章がうまくなるか?」という質問をよく受ける。それに答えるために自身の文章術や書く方法を系統立ててまとめた本です。週刊誌のライターとして文章力を鍛えられた体験から、デジタル時代の書き方まで、見出し毎に”書くことのテクニック』を例、引用を交えて説明している。小説、エッセイ、ビジネス、メール、ブログ、Twitterなど、文章を書く上でヒントになる一冊です。
大目次
第一章 あなたは9歳の作文力を忘れている
第二章 プロの作家の文章テクニック
第三章 名文の条件とは何か
第四章 日常生活で文章力を磨く
第五章 検索、コピペ時代の文章術
第六章 書くために「考える」ということ
第二章 プロの作家の文章テクニック
どんなテクニックが書かれているのか。第2章を例に、私がマーキングしたところを引用します。
すべてを書いてしまわず、次の日に繰り越す
ゼロから文章を生み出すのはエネルギーを要する。前日にすべてを書いてしまわずに、続きの数行を次の日繰り越してはどうでしょうか。
文章に行き詰まって抜け出せないとき、私は別のジャンルの文書を書くことでリフレッシュさせます。大切なのは書く行為から離れずにいることです。文は1行目から書かなくていい
文章というのは、何回も見直して推敲しながら完成させていくものです。どうせ後から見直すのだから、1行目にこだわる必要は全くない。
構成はパズル方式で
構成を固めてから書くべきか、書いてから考えるべきか。私は後者です。ーーーよい作品は書きながら進化を続けるものです。
逆説以外の接続詞を外す
文章が冗長で締まりがない。そう感じたときは接続詞を切り落としてください。「そして」、「また」、「だから」を省いただけで、文章がシャープになることがあります。
自分の文章のリズムを知る
ワルツが「ワン、ツー、スリー」と繰り返してリズムを生み出すように、文章も長さの異なるセンテンスの組み合わせがリズムがつくられるように感じます。
鬱、薔薇・・・難しい漢字は記号にすぎない
漢字はなるべくひらがなに「ひらいた」ほうがいいと思っています。基本的にひらがなが中心で、そのなかに、漢字がぽつりぽつりとまじるバランスが理想的ではないでしょうか。
短い文章にはメイン料理だけ選ぶ
短文では長文のように濃淡を出すような余裕がありません。読み手は印象にを残すためには、コース料理を一皿で表現するくらいのつもりで中身みをぎゅうと凝縮したほうがいい。
実は、削る力が重要である。
表現を直したり短くするやり方には限界があります。この方法で短くできるのは、せいぜい数行程度です。一方、要素を段落ごとに削り落とすやり方があります。
「余談だが」、「ちなみに」は使わない
「余談だが」、「ちなみに」などのフレーズで始まる段落があれば、丸ごと削っても大丈夫です。
まずは書きたい要素を盛り込んでから
ネタを出し惜しみするより、書きたいことを死にものぐるいで探すほうが視点の鋭い、深みのある文章が書けるようになります。
ヒッチコックはこうしてアイデアを捨てた。
自分の着想を大切にする一方で、行き詰まりを感じたら失着しないで切り捨てる。文章にも”勇気ある撤退が”が必要なことを覚えておきましょう。
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