「高倉健」と「ノーベル賞作家莫言」
高倉健が亡くなったニュースを聞いて、いくつか思い出したことがあります。その中で、2012年にノーベル文学賞を受賞した中国の作家、莫言の北海道旅行記『莫言・北海道走笔 』の中で述べられていた高倉健を思い出しました。莫言は2004年に日本在住の中国人作家の毛丹青、中国人作家、記者団を随行して12月26日から12日間、厳寒の北海道を延べ1500Kmの旅をしています。旅行記には、北海道の風景、人々、食べ物、温泉など分かりやすい中国語で書かれています。北海道を訪ねたのは、1980年台に高倉健主演の映画『君は、憤怒の河を渉れ』で北海道のシーンを観てからの長年の思いだったと言っています。
そして、北海道大学で高倉健のことを次のように述べています。
2004年12月27日 北海道大学講演
我这是第一次来北海道,但是知道北海道已经二十多年。80年代,许多日本电影、电视剧在中国热播,其中有两部 电影给我留下深刻印象。这两部电影是《追捕》和《狐狸的故事》。电影《追捕»,其中的男主演是高仓健,女主角是中野良子,我看过七遍。我相信,有许多人比我看得还多。一时间,中野良子和高仓健就成了中国年轻人崇拜的偶像。很多女孩子找对象都要找高仓健那样的。(众笑)很多男青年,都要学高仓健,板着脸,做出一副毫无表情的样子。当然,我们男的,也都希望像电影里的杜丘那样,找到一位真尤美。事过近三十年,有些台词还记得的。当高仓健扮演的杜丘站在楼顶上,敌人诱惑他往前走、想要制造他跳楼自杀假象的时候,说,杜丘,你往前走,抬头看,多么蓝的天!这部电影的外景地就在北海道。我们通过电影知道了北海道的原野,也知道在北海道有深山老林。….
私の翻訳です
これが初めての北海道です。でも、北海道を知ってから20年以上経っています。1980年代、多くの日本映画、テレビドラマが中国でブームになり、そのなかで2本の映画が私に深い印象を与えました。「追捕」と「狐狸的故事」(「君よ、憤怒の河を渉れ」と「キタキツネ物語」)です。映画「君よ、憤怒の河を渉れ」の主演は高倉健で、主演女優は中野良子で、私は7回も観ました。多分、もっと多くの人が私より多くの回数を観てたでしょう。あの時は、中野良子と高倉健は中国の若者が崇拝する偶像でした。多くの女性が探し求める姿は皆高倉健のような人で、青年達もまた高倉健に学び求めてました。気難しい顔で、感情をあらわにしない表情です。当然、私たち男は映画のなかの杜丘の姿に憧れ、真の美学を求めました。30年近く過ぎた今でも、多くの台詞を記憶しています。高倉健が演ずる杜丘が屋上に立っていて、敵が彼に前方に歩くように仕向け、彼を屋上から飛び降り自殺したように工作しようとした時、杜丘が言った言葉は、あなたが前に向かって歩きなさい、頭をあげて見あげなさい、なんと青い空なんだ! この映画シーンが北海道でした。私たちはこの映画を通して北海道の原野を知り、北海道には山深い原始林があることを知りました。
(この後に述べられていたことは…主演女優の中野良子が中国人の憧れの女性となりました。その後多くの日本映画が紹介され、まばゆいばかりに美しい日本女優を観ました。しかし、その時代の若者の心には中野良子のイメージが強く残っていて、なかなか他の女優と比べることはできなかった…..)
私は莫言のように7回も「君よ、憤怒の河を渉れ」を観てないので、その映画のシーンよく覚えていません。それに中国語初心者です。翻訳に間違いがあったらお許しください。
何処でも格好良い高倉健でした。ご冥福をお祈りします。