古谷経衡の『インターネットは永遠にリアル社会を超えられない』を読んで

『インターネットは永遠にリアル社会を超えられない』:古谷経衡著

『ネット世論は、リアル社会と隔絶した「もの言うごく一部の人々のノイズであって、「もの言わぬ」多数の人々」の声ではない』、本の帯のコピーに興味を惹かれて読んでみました。

Twitter, Facebook, LineなどのSNSの普及、またブログ、と誰でも個人として情報を発信できるようになりました。有効で効率的なツールであることは間違いないでしょう。私もインターネット、SNSを便利に利用していて”ネット依存おやじ”の分類に入るでしょう。

iBooksで読めます。

しかし、著書は、そのようなSNSで飛び交う意見、情報は「マジョリティを代表する氷山の一角」と誤解してはならないと警鐘しています。統計、分析、事例などのデータをベースにした考察です。
一部の引用、要約です。

インターネットの声は、「大きな世論の一部が漏れだしてきている」ものではなく、「1枚の亀の甲羅」の中の声を代弁しているだけであって、「全体を代表している」ものとはまったくかけ離れて、その中のみの自閉した存在である。にもかかわらず、このようなインターネットに関する間違った考え方は、是正されることなく多方面で運用され続け、例に漏れず大失敗の憂き目にあっている。

ネットの声は大きな世論の一部(氷山の一角)ではない?

私たちの見ている「インターネットの声や反応」というのは、その下にさらに巨大な塊を有する、「氷山の一角」ととらえて、本当に間違いないであろうか?

ほとんどは「読むだけの人」(ROM専)

  • 私たちが「インターネット上の声や反応として目撃しているものの多くは、利用者のなかでごく少数の人々による「声や反応だ」ということができる。
  • 「SNSを利用していない」と答えた日本人は全体の50%を超えている。さらに「利用している人」の7割から8割近いユーザーが「書き込みや投稿したことはない」と答えている。

「亀の甲羅」からの「いびつ」な声

  • 日本のインターネット空間は、「全体を代表している」などというのは嘘で、少数のユーザー声や反応がとりわけ目立つ「いびつ」な世界でる。
  • つまり1枚の「亀の甲羅」の声を代弁しているに過ぎない
  • 「亀の甲羅」のネットユーザー反応の背後に巨大な世論の姿がある、と誤った予測をしたある選挙の大敗の事例で説明している。「もの言わぬ沈黙の民」がマジョリティだったわけである。

その他、ポータルサイトのニュースのほとんどは「新聞のニュースなどからの引用」、「黒船にならなかった電子書籍」、「借りものだらけのコンテンツ」、「ユーチューバーへの幻滅」など、「ネット万能論」を否定しています。

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