映画『オリエント急行殺人事件』と原書

Murder on the Orient Express (オリエント急行殺人事件)

映画「オリエント急行殺人事件」が公開されている。アガサ・クリスティーの『Murder on the Orient Express』は、40年以上前、20代の頃に原書で読んでいるが内容を思い出せない。AmazonからKindle版をダウンロードして映画を観る前に読んだ。途中まで読んで、やっと犯人を思い出した。推理小説は、前半に巧みにヒントが隠されている。

Murder on the Orient Express

主人公はアガサ・クリスティーの多くの小説に登場する名探偵エルキュール・ポアロです。

中東で仕事を終えたポアロは休暇を取ってイスタンブールでゆっくりしようと決めて、ホテルにチェックインしたが、ロンドンから電報が受け取り、急遽、オリエント急行でロンドンに向かうことにした。

しかしこの時期空いているはずの列車の寝台車は満席だった。友達の列車運営会社の重役の計らいで、なんとか相席の寝台室を確保できた。つまりポアロは予定外の乗客だったわけです。列車は途中大雪で立ち往生する。そして殺人事件が起こった。被害者の男性は胸を刃物で浅く、深く12カ所も滅多刺しにされていた。寝台室は密室、そして犯人のものと思われる遺留品も残っていた。ポアロは遺留品から被害者は全米を騒然とさせた冷酷な幼女誘拐殺人犯だったことを知る。大雪で犯人は列車の外に出るこことはできない。犯人は乗客のなかにいる。ポアロは全員のパスポートを提出させ、ひとりひとり尋問する。しかし全員にアリバイがある。乗客同士が補完し合う完全と思えるアリバイがある。

誰が犯人なにか、そして結末は…

映画は原作を越えられない

映画と原作の根幹となるストーリーは同じである。しかし映画には原作にはないオリジナル要素が加えられ、原作とは異なっている箇所がいくつもある。例えば、原作は列車は大雪で立ち往生するが、映画では雪なだれで機関車が脱線して客車は高所の橋の上で留まる設定になっている。映像は4Kでキレイで、当時の豪華列車の内部など小説のイメージと重ね合わせることができる。しかしキレイな映像、豪華キャストの映画も原作を超えることは難しい。

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日本語訳オリエント急行の殺人 (クリスティー文庫)
Kindle版原書
Murder on the Orient Express (Poirot)

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