この本を読んで良かった『齋藤孝のざっくり!日本史』

日々インプットされる知識を記憶に定着させるために、頭に歴史というタイムスケールの必要性を感じていた。歴史をもう一度勉強し直そうと思って本屋で見つけたのが、そんなに厚くない文庫本『齋藤孝のざっくり日本史』です。取り上げている歴史上のテーマの数はざっくりかもしれないが、内容はざっくりではない。

『齋藤孝のざっくり!日本史』:齋藤孝

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幅広く深い知識を持つ齋藤孝ならではの、歴史上の事実がいかに現在に影響しているかまでを読み解いたタイムスケールです。”そうだったのか”と内容が勉強になるだけではなく、点在する事実を「文脈力」で読み取り、つなぎ合わせる方法は、学習する上で参考になる。

さらに随所で、知識を早く、広く、深く取得するためには素直な齋藤孝を見ることができる。速読、呼吸法、瞑想、空海のような荒行も否定しないという齋藤孝です。

齋藤孝が推奨する三色ボールペンでマーキングしながら読みました。

目次
第一章 「廃藩置県」と明治維新
第二章 「万葉仮名」と日本語
第三章 「大化の改新」と藤原氏
第四章 「仏教伝来」と日本人の精神
第五章 「三世一身の法」とバブル崩壊
第六章 「鎖国」とクールジャパン
第七章 「殖産興業」と日本的資本主義
第八章 「占領」と戦後日本

このうち、”「万葉仮名」と日本語”について、私が三色ボールペンの赤でマーキングした引用を編集して紹介します。

「万葉仮名」と日本語

日本史では「言葉」についての考察はあまりされませんが、日本語のすごさを知ることは、日本の歴史を知る上で、とても重要です。縄文時代が何千年も続いたことからわかるように、文字をもたない文化というのは、なかなか進化しません。

日本の文字は中国から「漢字」を輸入したことから始まります。しかし、日本は、漢字という文字だけはちゃっかりいただくのですが、中国語の構造は、取り入れてないのです。日本語の文法、構造を崩さずに、漢字をやまとことばに当てているのです。こうした漢字をやまとことばにあてたものを、「万葉仮名」と言います。

日本最古の歌集『万葉集』が残ったのも、万葉仮名があったおかげです。
万葉仮名はいまは使われていません。日本人は抜け目なく漢字から「ひらがな」と「カタカナ」を発明してしまうのです。万葉仮名の用法にニュアンスを込めたように、日本人はひらがなとカタカナの使分けに文字の持つ印象を巧みに取り入れています。
世界最古の近代小説と言うべき紫式部の『源氏物語』は、ひらがなが用いることによって、女のひとの繊細な感性が活かされています。

明治時代の翻訳語は本当にすごい!
仮名の発明が、日本の繊細で優雅な文化を育む素地となったように、明治時代の「翻訳語」の発明は、日本が近代化をいち早く推し進める基礎を築きました。欧米の重要な概念のほとんどを日本語の取り込んでしまったのです。
「幸福」、「社会」、「経済」、「信用」、「自然」、「科学」、「芸術」、「基準」、「思想」,「意識」—–
明治の初期に、膨大な外来語を用いて翻訳できたのは、当時の日本人に漢字の素養があったからこそです。

マーキングして、二度読み三度読みをお勧めします。齋藤孝は速読法も習得しており、これからの時代、速読能力は必須だといっています。私も20年数年前に速読を習いました。

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