「里山資本主義」を読んで

「里山資本主義」:藻谷浩介 NHK広島取材版著

1970年代のオイルショックの時、銀座のネオンは消え、デパートのエスカレーターは止まり、深夜テレビは自粛となりました。いま、原子力発電所が停止して、円安で石油、天然ガス価格が高騰しています。次世代のエネルギーはまだ見えていません。太陽エネルギーもかなりトーンダウンしています。事実、太陽エネルギー先進国のドイツ、また中国で最大手の太陽エネルギーパネルメーカが倒産しました。もう、過去のような経済成長に期待した生活スタイルは変えないといけない時が来たのでしょうか。

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“里山資本主義”は長い論文を読み切った。そんな爽快感が残る一冊です。

コミュニティーの収支を改善

里山で不便に暮らそうというこではありません

”里山資本主義”は昔に戻って、里山で不便に暮らそうと言うことではありません。過疎化が止まらない町で眠っている資産を再利用し、コミュニティーを復活させ、マネー資本主義の限界と潜在リスクに乗り越えられる、安定した懐かしい未来を目指すべきと言っています。

過疎化の村、町の眠っている資産の活用

いくつかの成功例を紹介しています。ひとつの例が林業復活によるコミュニティーの復活です。日本には森林に囲まれた村や町が数え切れないほどあります。そんな町や村の収支は赤字で、赤字の大きな要因のひとつがエネルギーです。山は手つかずの間伐材の宝庫です。その町は木材のチップを燃料とした暖房、さらに発電設備を作り、コミュニティー内のエネルギーをまかなうでけでなく、余った電力を売りコミュニティーの収支を改善し、雇用も増やすことができました。

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野菜の例もあります。田舎にはお年寄り作った新鮮な野菜が沢山あまっていますよね。そんな野菜をコミュニティーが老人ホームや学校などの給食用としてもらい受け、かわりにコミュニティーが運営するレストランなどの食事券を渡すといるアイデアです。つまり、協力して知恵を絞れば、里山で給料が少なくても、生活の収支は都会とたいして変わらず、良い環境で生活できる可能性があると言う事です。

現在の過疎化の現状を見れば、今までの地方創生政策はことごとく失敗だったでしょう。安倍内閣の地方創生は「各地域がそれぞれの特徴を活かした自律的で持続的な社会を創生できるよう、…」と言ってますから今度は期待できるでしょうね。

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